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2023.04.28

時間外労働の上限規制 建設業は来年4月1日より適用

 2019年4月1日より時間外労働の上限規制が施行され、中小企業は2020年4月から適用されています。ただし、建設業は5年間の猶予期間があり、来年、2024年4月1日より適用されます。ご注意ください。

【労働時間・休日に関する原則】
 労働時間は労働基準法によって上限が定められており、労使の合意に基づく所定の手続きをとらなければ、これを延長することはできません。労働時間・休日に関する主な制度は次の通り。
▼使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
▼使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
▼使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

【時間外労働協定(36協定)】
 労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。時間外労働協定は、労働基準法第36条に定めがあることから、一般に「36(サブロク)協定」とも呼ばれています。

【2019年4月・改正内容(時間外労働の上限規制)】
〈ポイント1〉
 時間外労働の上限が罰則付きで法律に規定されました。さらに、臨時的な特別な事情がある場合にも上回ることができない上限が設けられます。
▼この改正によって、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなります。
▼臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、以下を守らなければなりません。
①時間外労働が年720時間以内。
②時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満。
③時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内。
④時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度。
▼違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される恐れがあります。

〈ポイント2〉
 今回の法改正において中小企業への上限規制の適用は1年間猶予(2020年4月1日から適用済み)、建設事業ついては、5年の猶予期間が設けられているため、2024年4月1日より上限規制が適用されます(災害の復旧・復興の事業を除く)。

【どのような場合に法律違反となるのか?】
 時間外労働を行わせるためには、36協定の締結・届出が必要です。したがって、36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合や、36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせた場合には、労働基準法第32条違反となります(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)。
 今回の法改正では、この36協定で定める時間数について、上限が設けられました。また、36協定で定めた時間数にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計時間が月100時間以上となった場合時間外労働と休日労働の合計時間について、2~6か月の平均のいずれかが80時間を超えた場合には、労働基準法第36条第6項違反となります(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)。

【その他】
 労働基準法では、常時使用する労働者が10⼈未満の場合には、就業規則の作成や届出の義務はありません。しかし、作成義務がなくても、就業規則を作成し、労働者に周知することで、権利義務関係を明確にでき、労働条件を画⼀的に処理できるほか、労働者の定着促進やモチベーションの向上が期待できます。

【参考HP】
働き方改革 特設サイト(厚生労働省)
https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html

時間外労働の上限図.jpg

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